ピル(経口避妊ピル)は、女性ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンの合剤です。
ピルに多いのは、シートの横1列に7錠(1週間分)、縦1列に4錠の、合計1シート28錠のタイプです。ピルを毎日1錠ずつ内服することで、月経周期が28日になります。縦1列が3錠・21日分のタイプもあり、その場合は21日分ピルを飲んだら7日間ピルをお休みすることで、月経は28日周期になります。
ホルモンの量が変化する3相性(アンジュ・トリキュラー等)と、ホルモン量が一定の1相性(ヤーズ・ルナベル・マーベロン等)のものがあります。
ピルの効果
ピルに期待できる効果として、まず避妊があります。正しく内服していれば、約99.7%の避妊効果があります。コンドームは約85%、避妊リングは80~95%の避妊効果といわれるので、ピルの避妊効果は非常に高いですね。
また、生理痛が徐々に改善することが期待できます。
生理不順や過多月経(生理の量が多い)、PMSの改善も期待できます。ニキビにも効果が認められることがあります。子宮内膜症の進行を抑えることも期待できます(適切な経過観察が必要です)。ピルは女性にとってうれしい効果がたくさんありますね。
ピルの副作用
どのお薬にも副作用はあります。ピルの副作用としては、内服初め1~2か月の間、不正出血や頭痛・下腹痛・胃のむかつきが起こることがあります。次第に改善することが多いので、症状が強くない場合は様子を見ても良いと思います。副作用が強い場合は、医師に相談しましょう。ピルの種類を変更することで症状が改善することもあります。
ピルと血栓
ピルの一番気になる副作用として、血栓があります。血管に血の塊が詰まってしまう病気です。ピルを飲んでいない人が血栓を発症するのは年間1万人に1~5人です。ピルを飲んでいる人が血栓を発症するのは、年間1万人に3~9人と報告されています。ピルを内服していると、わずかですが血栓症のリスクが上がります。
血栓の症状を自覚した場合には、速やかに内服を中止して医療機関を受診することが大切です。
ピルと女性
女性は、日々女性ホルモンの影響を強く受けているので、ピルを内服することで、月経に関わる多くの悩みから解放され、生き生きとした生活を送ることが期待できます。月経のつらさから学校生活や仕事に影響を及ぼしてしまうこともあります。ピルを飲み始めて生活が一変した方からは、もっと早くから内服すればよかったというお声もよく聞かれます。
1日1錠内服するだけ、と手軽な治療ですので、まずは試しに始めてみるというのもお勧めです。
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